JR四国をめぐる冒険III(3日目・終)

児島→高知 2000系「南風1号」


バースデイきっぷの旅もいよいよ最終日。
この日は予告通り、土讃線で2000系、2700系の新旧「南風」グリーン車の乗り比べです。
まずは2000系が充当される「南風1号」で高知へ向かいます。

「南風」は今年の7月18日から新型の2700系で運転される列車が増え、午前中で高知行きの2000系充当列車はこの1号(児島7:28発)を逃すと、次はもう5号(同10:26発)しか残されていないので、時間を有効に活用するなら1号に乗るしかないわけです。


2000系グリーン車の車内。


宇多津で高松からの特急「しまんと3号」を併結します。
JR四国予讃線の高松-多度津を除いて単線であり、岡山・高松発着の特急列車を別々に走らせると線路が一杯になってしまうので、このように運行区間が重複する2つの列車を1つにまとめて走らせるという形を取っているわけです。


「南風」「しまんと」の2列車合わせても5両編成というのは、需要の少なさを物語っています…。
高知自動車道が開通後、土讃線系統の特急は線形の険しさもあいまってかなり食われてしまいました。

ディーゼル特急に乗れてご満悦の様子。


小歩危峡。水の色が翡翠みたいです。
土讃線は琴平をすぎると四国山地に分け入って行き、土佐山田の手前で高知平野へ降りるまで山また山です。本当に険しい。

9:39、高知到着。

高知→児島 2700系「南風10号」

2700系充当の10:13発、「南風10号」で児島へそそくさと折り返します。
2700系のグリーン車は8600系に付いていた可動式枕がないという差異がありますが、それでも十分快適です。
このように2000系と2700系の座席を画像で並べてみても、およそ30年の時間の流れというものを感じさせます。今や特急列車の座席にコンセントは標準装備となっていますし、2700系、8000系、8600系では無料Wi-Fiも使えるようになっています。


次代を担うJR四国のエース、2700系。
2000系はステンレス車体JR四国のコーポレートカラーである水色の帯を巻いていますが、それとは一線を画したデザインになりました。

わざわざ宇野へ寄って萬福軒へ。

ちょうど宇野駅14:10発の児島駅行き下電バスがあったので乗りました。

児島→大歩危 2700系「南風15号」(アンパンマン列車)

児島発15:27の「南風15号」が2700系のアンパンマン列車で、それに乗りたかったので時間調整も兼ねていたのでした。グリーン券は阿波池田まで取っていましたが、車掌に大歩危まで乗りたいと申告したら了承を得たので、大歩危まで足を伸ばします。



2700系のアンパンマン列車は今年の7月18日に、従来の2000系から車両が改められた際にデビューしたもので、「土讃線あかいアンパンマン列車」と、「土讃線きいろいアンパンマン列車」の2種類があります。
この日の「南風15号」には後者が充当されました。2種類の運用パターンがあり、2日周期でローテーションするようになっています。
毎日決まった列車に充当され、時刻表にも「『アンパンマン列車』で運転」の注釈がありますので、簡単に見ることができます。

大歩危→児島 2700系「南風22号」

大歩危駅に隣接して展望台があり、そこから大歩危峡を見ることができます。大歩危17:01発の「南風22号」で帰りました。帰りのグリーン券も阿波池田→児島で取っていましたが、これも車掌に申告のうえ、大歩危から乗車しました。


「TRANS SHIKOKU EXPRESS」(四国横断特急)
…2000系試作車は「TRANS SHIKOKU EXPERIMENTAL」(四国横断実験)の頭文字を取って「TSE」の愛称がありましたが、2700系がその精神を受け継いでいます。

あとがたり

いやー、8年ぶりにバースデイきっぷJR四国グリーン車を存分に堪能しましたが、やっぱり気分がいいですね。当時はまだ存在しなかった8600系、2700系にもたっぷり乗れたので言うことなしです。

自分の誕生日が属する月のいずれかの日から3日間、13,240円でJR四国グリーン車が乗り降り自由なのでかなりお得です。これを使わない手はないでしょう。

3日間では物足りないという方には通年発売で4日間有効、20,950円の「四国グリーン紀行」という商品がありますし、もっと気軽に四国を楽しみたいという方には土休日の特急自由席が1日乗り降り自由で10,460円の「週末乗り放題きっぷ」といった商品もありますので、現在の情勢ではまだ旅行をためらう方もいらっしゃるでしょうが、移動中はマスクを着用するなどの感染対策を講じた上でぜひ四国の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

この状況下でも旅行ができたことに感謝して、「JR四国をめぐる冒険III」を締めくくります。お読みいただきましてありがとうございました。