俺はここからドアを打つ

人を活かすも殺すも環境次第。改めてこう思うのである。

いくら高性能な電車があったとしても、持ち前の性能を遺憾なく発揮できるインフラ環境が整っていなければ宝の持ち腐れになってしまうわけで。最高速度130km/hで走れる電車なのに100km/hまでしか出せない路線しか走らないのでは意味がない。

昨年末、前の現場でのリーダーだった意識の高い人(O氏:仮名とする)が東京への転職が決まり、退職してしまった。O氏はVimエディタやThinkPadキーボードなど、今でも私が愛用しているツールを「布教」してくれた張本人である。今の環境でもVimエディタやThinkPadキーボードを愛用している方に出会えたから、改めてこの場を借りてO氏に感謝の言葉を送る(たぶん見てないだろうけど)。ただ、一歩間違えばパワハラにもなりかねない発言を時折するという、人格的に少々問題があったのは否めなかったが、もともと技術に関しては私では及びもつかないほど長けていて、本人としても開発をバリバリやりたかったろうから、いわゆる「Excel方眼紙」とのにらめっこの日々では意に染まぬ仕事で、我慢の限界だったに違いない。よく10年耐えたと言えよう。もしO氏とまた会話をする機会があるのなら、こちらとしても積もる話があるのでいろいろと語りたいものである。

あと、会社が違うからという理由で明確に線引してしまうのはいかがなものか。以前はそのような空気を感じなかったが(それでも扱いが軽んじられていると思うことは度々あった)、今年の夏頃から急にそういう傾向になって、すっかり興ざめしてしまった。もうここで頑張る意味はないなとも思い始めた。結果的に10月22日、サンライズ瀬戸で沼津へ「帰省」する日に会社から正式に異動の指示が出て、正直せいせいした。私が願わなくとも、私の状況を把握していた会社側、いや神様が贖ってくれたのであろう。

実は「沼津帰省」の1日目である10月23日、沼津御用邸記念公園を見ているときに会社から異動先の手続きなどについての電話があったのはここだけの話。まさか会社の人間も私が年休を取っていたのは把握しても、沼津にいたとは夢にも思うまいw あのときの帰省の理由は表面上では「10月だけまだ沼津に行ったことがなかったから」だが、沼津でリフレッシュしないともうやっていられなかったのである。街もお店もAqoursの幟やポスターなどで彩られている沼津に身を置いている時間はまさに楽園だったね。もとより海を見るのが好きな私は、晴れた内浦の海を見ている時間が最高に幸せだった。

閑話休題

みんな同じ目標に向かって働いているのだから、対等に扱われるべきではないのか。それこそ半沢直樹のセリフを改変すれば
「外の世界から何が見えた?」
「(地元ではそこそこ)大手グループの名にあぐらをかいた会社の怠慢さがよく見えました」
と言ったところか。言いすぎかもしれんが、「新車情報」の三本和彦氏だったらこれぐらいは言うでしょうね。

…三本氏は番組で採り上げた車に関して気に入らない点があれば、試乗でのレポート、あるいはゲストのメーカー担当者に直接「ここが気に入らない」、「これはなんとかならないのか」と遠慮なく発言していましたからね。メーカーも三本氏の意見を真摯に受け止め、後の改良に反映されたという。今の世の中は三本氏や徳大寺有恒氏のような辛辣な意見をする人がいなくなったように思う。そういうことをすると煙たがられたり、叩かれたり、最悪干されたりする風潮があるのも世の中がダメになった原因なのか? 三本氏も最終的に番組スタッフとの確執があって、「新車情報」のMCを降板させてもらうことにしたと自身の記事で語っていた。

プログラムはちゃんと組めないわスカスカな設計しかできないわ挙げ句の果て不具合がジャンジャン出てきて修正はうちらに丸投げ、そんなんでよくうちらより高いお金もらってんな(夏井いつき先生ふうに)と言いたくなるが、もうきりがないし、そういうこと言って後ろを振り返るのはもうやめようぜw 「うしろをふりかえって見てはならない」と聖書*1にだって書いてあるのだ。

…こんなこと書くとみんなそういう人ばかりだったのかと誤解されかねないが、前の現場の名誉のために書いておくと案件によっては親切できちんとしている人もいらしたことを申し添えておく。まあ、それでも全体期な印象は良くなかったな。最初の頃はこき使われまくったし、キツかったという印象しかない。O氏は口癖のように「疲れるわー」言うてたし、高校時代の数学の先生みたいに「お粗末な結果ですね」と言いたくなる事案も多かった。土台がしっかりしていない、聖書で言うところの「砂の上に自分の家を建てて、雨風が押し寄せるとその倒れ方はひどい」*2がまさに当てはまる。会社全体の意識が変わらないとこの先も同じことの繰り返しになるであろう。そりゃO氏も逃げるべ?w

今の環境でも様々な会社から人が集まってきているけれど、基本的に会社間の垣根はなく、みんな同じ組織の人として対等に扱ってくれている。これならモチベーションも上がるし、持てる力を遺憾なく発揮してよいものを産み出せると信じている。
「TZN'EXさんならきっとできますよ」
…今年の春頃、無茶振りタスクで心が折れそうだった私にあの子がかけてくれた言葉を胸に。

「最後は笑うはずだろう」

私をただのオタクだと思うな。なめんじゃねーぞ。

あの子もこの先、あの環境でやっていかなならんわけだから大変やな。あんじょうおきばりやす。

*1:創世記19:17

*2:マタイによる福音書7:26-27を要約