北関東阿房列車 第2章

八王子801→高麗川848【八高線861E モハ205-3002】

中央線の高尾行き各駅停車で八王子へ出て、八高線に乗り継ぐ。八高線の電化区間である八王子−高麗川間は11月19日(id:TZNEX:20051119)に乗車済み。前回は東京臨海高速鉄道からの買取車を含んだ209系3100番台に当たったが、今回は山手線からの転用車である205系3000番台。高麗川以北は未乗なので、吾妻線に乗る前に八高線も制覇してしまおうというのが狙い。

高麗川901→高崎1038【八高線233D キハ111-205】


今日唯一の気動車列車。八高線は1996年3月に八王子−高麗川間が電化され、川越線との直通運転が開始されたが、未電化で残る高麗川−倉賀野間については新型気動車キハ110系が投入され、旧型気動車を一掃した。このキハ110系は実に加速がいい。セミクロスシート配置で、クロスシートは2+1の配置。1人がけシートに座り、車窓を楽しむ。車内には立客もいない。
車窓風景も高麗川以南とは趣を異にし、かなり急な上り勾配を駆け上がる光景も見られ、ローカルムードが濃くなる。そんな中、東武東上線秩父鉄道と接続する寄居は駅前にスーパーもあって割と大きい駅だった。
八高線の北側区間に来たならここの駅名標を撮影しようと思っていた。

大事な大事なアタックチャンス!(違)
群馬県の最初の駅である群馬藤岡から乗客が増えてきた。やはり群馬県において高崎の求心力は大きいのだろう。北藤岡高崎線の線路を間近に見て、その先で高崎線と合流。八高線の列車は高崎まで乗り入れるが、戸籍上の八高線は高崎の一駅手前、倉賀野まで。その倉賀野で鉄道ファンが何人かいたので、何事かと思うと…、なんと原色機のEF65 535牽引の貨物列車が停車中ではないか! 降りて撮影したかったが、この後に関東の難関路線である吾妻線に乗らねばならないので断念。まあEF65 535は単機回送とはいえ、総武本線で撮影したことがあるのだけれど。

高崎1042→1228大前1249→1435高崎【吾妻線531M〜534M クモハ115-1065】

さて、ここからが本日のメイン、吾妻線である。吾妻線の起点は高崎の北に位置する渋川であるが、渋川寄りの普通列車はすべて高崎へ乗り入れている。高崎−渋川間は上越線を走ることになる。

高崎を出ると高崎問屋町に停車するが、この駅は昨年10月16日に開業したばかりの新駅だ。新前橋で新前橋電車区を見た後、渋川からいよいよ吾妻線へ乗り入れる。ここまで来ると雪が積もっている。やはりここは上州。東京とは気候が違う。
ところで渋川という地名を聞くと、岡山出身の僕は岡山県玉野市にある渋川海岸を連想してしまう。しかし渋川駅がある群馬県渋川市は正反対で、赤城山の麓に位置する街。
閑話休題

吾妻線に入った列車は雪景色の中を進む。冬に来て良かった、そう思った瞬間だった。高崎までは晴れていたのに渋川から急に曇ってきたのだが、中之条まで来た辺りから天気は回復し、雪晴れの中を行く。左手には吾妻川が寄り添い、車窓の友となる。吾妻線の線形は良くなく、時折車体が上下に揺れる。駅構内のポイントはのっそりと渡って行く。
吾妻線といえば沿線に温泉地が点在し、上野から特急「草津」も乗り入れていて観光鉄道としての性格が強い。普通列車も例外ではなく、僕が乗った531Mも115系の座席がほぼ埋まるぐらいの乗車率だった。大きな動きがあったのは長野原草津口。ここで半数の乗客が降りた。終点の大前まであと18分。ここまで行く客は何人いるのか?

大前を目前にした万座・鹿沢口でも温泉客が降りて行く。しかし意外にもまだ乗客がいる。その実態は…、時刻表を持ったり、カメラバックを抱えた鉄道ファンや旅行好きな人ばかりなのであった。


大前まで行く列車はたったの5本。東京から乗るとなれば、事実上この531M〜534Mしかないのである。そうそう、吾妻線といえば日本一短いトンネル「樽沢トンネル」があるので、乗車の際はチェックを。

高崎1455→横川1528【信越本線141M モハ114-1144】
横川1554→高崎1626【信越本線150M モハ115-1080】

当初は横川に行くつもりはなかった。信越本線・高崎−横川間は115系の他、ロングシート107系も使われているので、141Mに115系が来れば横川へ行ってみようと賭けをした。結果、115系が来たので横川行き決定。

信越本線といえば、長野新幹線が開通するまでは横川−軽井沢間に66.7‰の急勾配である碓氷峠が介在し、ここを越えるため列車にEF63という、この区間専用の電気機関車をつなぐのが特徴だった。しかし長野新幹線が開通するとこの特殊な運行形態が仇となり横川−軽井沢間は廃止(バス転換)、新幹線に並行する信越本線のうち、軽井沢−篠ノ井間は第3セクターの「しなの鉄道」に転換された。つまり信越本線といえども、高崎寄りでは高崎−横川の行き止まり路線になってしまったのだ。かつてはここを新幹線になる前の「あさま」が多く行き交っていたのかという思いを馳せながら景色を眺めていた。あの頃に行けなかったのがなんとも残念。
横川に来たならぜひ食したい駅弁がある。「おぎのや」*1が販売する、御存知の方も多かろう「峠の釜めし」だ。「あさま」が信越本線の特急列車だった時代、この横川駅でEF63を連結するために数分間停車していた。釜めしの販売員がホームに常駐していて、乗客が停車時間の間に釜めしを買い求めるのはこの駅の風物詩でもあった。横川駅が行き止まりの駅となった現在、そのような光景は見られなくなった。しかし今も、駅前に「おぎのや」はしっかりと店を構えていた。釜めしを買い求め、折り返し150Mの車内で食す。

名物駅弁を食すこの幸せ。この釜はご飯1合が入る容量があり、持ち帰ればお米を炊けるし、茶碗代わりにも使える。事実僕も、今日の夕食に茶碗代わりとして使った。

高崎1630→籠原1704【高崎線3936M(快速「アーバン」) クモハ211-3047】
籠原1713→新宿1828【湘南新宿ライン2240Y サロE231-1077】

高崎方面から新宿へ帰るにはやはり湘南新宿ラインが便利。籠原始発の列車に乗り継ぐ。疲れたので磁気グリーン券を買い(←ここが重要)、2階席でゆったり。グリーン料金は50kmを超えればいくら乗っても750円なので、区間が「籠原→辻堂」という最早ネタとしか思えない行為(^^;)。
行田到着直前、突然例の女性の声で「急停車します。ご注意ください。Attention please, the emergency brakes were applied.」(英語は自信なし)とアナウンス。車内のLEDも「急停車します」と表示。駅近くの踏切で障害検知装置が作動した模様。こんな自動放送聞いたの初めて。安全確認を取ったため、列車は行田を7分延発。しかし新宿へ着く頃にはほぼ遅れを回復していた。

岡山から東京へ遊びに来ている後輩T君と新宿で待ち合わせをしていた。新宿で下車すると彼が待ち構えたように出迎えてくれた。この後中央線で東京へ行き、ものすごい人ごみの中、東京ミレナリオを見に行くのであった。ミレナリオ記念Suicaが発売されていたので2人ともつい手を出した。T君と歩きながらいろいろとおしゃべり。お疲れ様でした。