JR宝塚線(福知山線)脱線事故

すでに報道されている通り、信じられない事故が発生してしまった。週末の余韻が一気に吹き飛んだ。
http://www2.asahi.com/special/050425/TKY200504250075.html


25日午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市久々知3丁目のJR宝塚線福知山線)尼崎―塚口間の第1新横枕踏切(警報機、遮断機あり)付近で、宝塚発同志社前行き上り快速(7両編成、乗客約580人)が脱線し、前から4両目までが脱線した。1、2両目は、線路から約6メートル脇の9階建てマンション(約40世帯)の1階部分に突っ込み、一部は建物に「く」の字形にまきつくようにして大破した。兵庫県警と尼崎市消防局によると、午後4時現在で、乗客ら50人の死亡が確認された。負傷者は約300人に上るという。

 県警や同消防局によると、死者の内訳は男性27人、女性23人。重体、重傷者は43人になるという。1、2両目の車内にまだ乗客が閉じこめられているが、生死は不明で、高見隆二郎運転士(23)は重体の模様。けが人は兵庫医科大病院(西宮市)や尼崎中央病院(尼崎市)などに運ばれており、ほかの病院も含めると、搬送された人だけで300人近くになるという。

 県警によると、列車は第1新横枕踏切の100メートルほど手前の右カーブで、単独で脱線。その後、駐車中の乗用車に衝突し、マンションに突っ込んだという。県警は、JR西日本の運行管理や運転手の運転状況に問題がなかったか、業務上過失致死傷容疑で捜査を始め、松下正俊車掌(42)らから事情を聴いている。

 JR西日本によると、快速は午前9時14分ごろ、手前の伊丹駅で所定の停車位置から8メートルほど行き過ぎて停車。このため同駅の発車がダイヤより約1分半遅れ、事故現場付近を通過した際には、スピードを上げて遅れを取り戻そうとしていたという。このオーバーランについて車掌が情報指令に報告している最中に事故が起きたという。

 同社によると、通勤ラッシュ時間帯からは少し時間がたっていたが、車内の座席は乗客で埋まり、立っていた人も多数いたという。

 この事故で、宝塚線は尼崎―宝塚(兵庫県宝塚市)間の上下線で運行を見合わせている。

 JR西日本によると、現場のカーブでは計算上、時速133キロ以上の速度が出ていないと列車は脱線しないという。快速は「207系」という電車で、設計速度は120キロ。現場は時速70キロの速度制限区間だった。

 事故のあったJR宝塚線は、尼崎駅で東西線神戸線で相互乗り入れし、都心に向かう新快速電車などと接続している。わずかなダイヤの乱れが乗り入れ先の路線にも影響を及ぼすため、乗務員は遅れを発生させずに運行させることを、会社側から求められていたという。

・・・1991年の信楽高原鐵道事故を上回る、JR史上最悪の列車事故となった。不運にもこの事故に巻き込まれ亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々の心中をお察し致します。
(注)以下の文は少々、感情的になって書いてしまっていることを理解の上お読み下さい。
脱線の原因については諸説飛び交っているが、

  • 事故直前、ウテシが伊丹駅オーバーランをし、同駅を1分半延発
  • 脱線現場のカーブ手前、普段と違う尋常でない速度で突っ込んでいたという乗客の証言
  • そのウテシは23歳で、運転歴11ヶ月の若手
  • そのウテシは過去、大阪環状線で乗務しており、その当時も数回、オーバーランをしている
  • 朝通勤時間帯、JR宝塚線JR東西線直通快速は尼崎にて新快速と接続していて、遅れを発生させないよう会社側から求められている

以上の事柄を総合すると、ウテシの速度超過が原因で脱線した可能性が高い。だとしたら、JR西日本の乗務員教育体制を疑わざるを得ないだろう。JR西日本は2002年、JR神戸線東海道本線)塚本−尼崎にて二重人身事故を起こしており、管理体制の甘さを指摘されたばかり。全く懲りていなかったのかJR西日本。ここで、JR西日本に「ごーまんかましてよかですか?」
乗客の安全よりも定時運転の方が最優先なのか! 定時運転も大切だが、乗客の安全を守ることが大前提とちゃうんか!

脱線した207系は、先頭車両はマンションの1階にめり込み、2両目もぺしゃんこで、もはや原形を留めていないスクラップ状態。最近の鉄道車両は、軽量化、低コスト化のため車体はステンレス、またはアルミ製のものが多い。おりしもJR西日本は、今秋導入予定で207系に替わる次世代通勤形車両の321系の製造に着手したばかりだが、今回の事故でどう設計に影響するか。一方、JR東日本が首都圏に続々投入しているE231系のような俗に言う「走ルンです」シリーズも、見た感じからもう103系に比して強度は弱いと思う。今回のような事故をしたら車両はひとたまりもないだろう。僕はそんな車両に毎日仕事で乗らされているのかと思うとぞっとしない。ある先輩は、
221系、223系、207系205系は即刻全車廃車か可部・和歌山・桜井に転配! 117系、201系を新快速に転配せよ!」
などという始末。
⇒だけど、仮に車両が207系でなく、103系や201系のような鋼製車であったとしても、車体がマンションに横から叩きつけられたわけだから、素材が何であれ一巻の終わりだろう。

更に言うと、点制御ATSの弱点が、先日発生した宿毛駅での事故に続き再び露見したとも言える。山陽電鉄勤務の先輩によると、山陽電鉄では連続照射式ATSなので、速度制限を少しでも越えると強制ブレーキがかかるという。

今回の事故を受け、NHKは鉄道関連番組の放送延期を決定。2002年の尼崎二重人身事故もあるだけに、JR西日本の信頼もがた落ちだろう。僕も2002年の二重人身事故の時には呆れたが、今回の事故でこの会社に不信感を持たざるを得なくなった。某巨大掲示板ではいつも何かと煽られているし・・・。JR西日本発足以来、快進撃を続けているアーバンネットワークだが、この事故が凋落の始まりとならないことを願う。

207系は宇宙一の通勤形電車と思っていたが、これで脱線事故を起こした車両のレッテルを貼られることになってしまった。

僕はアーバンネットワークが好きなこともあり、今回の事故についてやりきれない思いが強い。神戸出身の友人IMOさんや、YK NETWORKメンバーのNさんとも電話でしゃべった。Nさんは現場の近所にお住まいのため、とても怖かったという。