「パラダイス銀河」に見るASKAの世界観

僕が小学校2年〜3年生だった1988年、「光GENJI」という一世を風靡したジャニーズ系のアイドルグループがいた。7人の少年がローラースケートを履いて歌うその姿は、今でいうSMAPやKinKiでは到底凌駕できないインパクトがあった。僕のクラスでも男子・女子問わず物凄い人気だった。今思えば、当時8〜9歳だった僕等にとって、「お兄さん」に当たる光GENJIがローラースケートを履いて歌う姿が子供心にカッコよく映ったのだろう。当時はTBS系で「ザ・ベストテン」という、これも一世を風靡した音楽番組を木曜21時*1からやっていたが、21時台は小学校低学年にとって「お休み」の時間帯。でも、木曜だけは光GENJIを見たいがために、親に22時まで起こさせてもらっていたものだ。金曜日の朝は、クラス中「ベストテン」の話題で持ちきりだったから。

前口上が長くなったが、光GENJIの代表曲に「パラダイス銀河」というのがある。この曲の「しゃかりきコロンブス」という歌詞は強烈な印象を残した。当時は誰が作ったのかなど意識せずに聴いていたが、僕がCHAGE&ASKAファンになった5年後、ASKAさんが作詞作曲を手掛けていることを知る。そこで今、CHAGE&ASKAファンの観点からこの曲を聴いてみると、ASKAワールドが随所に散りばめられていることに気付く。「しゃかりきコロンブス」とは何なのか? この前後の歌詞は、

大人は見えない しゃかりきコロンブス 夢の島まではさがせない
しゃかりきコロンブス」は大人には見えないとASKAさんは言っている。コロンブスと言えば大航海時代西インド諸島を発見した人物である。ASKAさんは「パラダイス銀河」の他、光GENJIのデビュー曲「STAR LIGHT」や「ガラスの十代」も手がけているが、10代の少年が歌うことを意識した歌詞だなという印象だ。これらから考えると(あくまでも僕の勝手な解釈)、
「しゃかりきになって夢を追いかけている若者の姿は大人には見えない、解らない。」
ということなのか? 「夢の島」とは若者が目指している目的地のことで。当時の少年少女に向けた、ASKAさんからのメッセージが込められていたのだろう。あの頃の僕は「夢の島」を探せたのかな。いつまでも、少年少女に歌い継がれて欲しい曲である。
ASKAさんが手掛けた光GENJIの楽曲は、アイドルが歌う楽曲としては出色のクオリティがあるように思う。去年のライブでASKAさんが「パラダイス銀河」を歌った。めっちゃ聴きたかったな〜。ASKAさんの歌詞は奥が深いです。ディープです。
蛇足ですが、「STAR LIGHT」とCHAGE&ASKAの「Mr.ASIA」は曲調が似ていませんか?

*1:20時からは「世界まるごとHOWマッチ?」が放送されており、まさにこの2時間はゴールデンタイムだった。