「オダヤカナヒ」その2

出庫

午前6:00に設定しておいたモーニングコールで目が覚める。当初の予定では佐世保7:54発の快速「シーサイドライナー」(3221D)で長崎へ向かう予定だったが、1本前に出る6:56発の普通列車229Dは、僕がまだ乗ったことがない長崎本線の旧線回り(長与経由)であったので、229Dに乗ることにする。東横インで朝7時から提供されている無料朝食サービスを受けられないが、我慢。

大村線


229Dはキハ200の2両編成だった。大村線内で海側となる進行方向右側の席に座る。意外と客が乗っており窓側は埋まっていたので、通路側だったけど。
早岐で通学の高校生が大勢乗ってきて、川棚辺りで降りて行く。早岐発7:11なので通学にはずいぶん早く思えるが、前述の通り次の列車は1時間後の3221Dとなってしまい、これだと駅から学校までの時間を加味すると遅刻となってしまうのだろう。


その川棚を過ぎてから、大村湾に寄り添いながら走っていく。今日も天気が良く、景色はとても良かった。

大村で客が大勢降り、進行方向左側ではあったが窓側席が空いたのでそちらへ移る。諫早の一つ手前、岩松を過ぎて駅間で列車が止まった。運転士によると、枕木が燃えていて消火作業をするため停車しているとのこと。こんなことってあるんか…、と思いつつ過ごしていると、後は何事もなかったかのように運転再開。諫早には5分ほど遅れて到着。

諫早では「白いかもめ」で運転される長崎行きの「かもめ3号」に接続しており、これに乗れば長崎に30分先着できるが、乗り換えると長与経由に乗るためわざわざ229Dを選んだ意味がなくなるので、引き続き乗車。諫早でも客の入れ替わりがあり、長与経由の長崎本線で海側となる進行方向右側の窓側席が空いたので再度席を移る。

長与経由の長崎本線


諫早を出て、国鉄色に復元されたキハ66とすれ違った。喜々津発車後、当地では市布経由と案内される長崎本線の新線と別れ、229Dは長与経由の旧線に入る。電化されておりトンネルで突っ切る市布経由に対し、長与経由は非電化のままで山が海に迫る複雑な地形だが、海が迫る喜々津−東園間の車窓風景は特に良い。長与経由を選んで正解だった。
長与に着くと客がそこそこ乗ってきて、長崎のベッドタウンであることを実感させる。ここからは家並みも増えてくる。
浦上で市布経由の新線と合流して、9:05に長崎着。諫早の手前で発生した遅れはいつの間にか回復していた。長崎市内は中学校の修学旅行と、7年前に訪れたことがあるので、今回で3回目。

sola」舞台探訪

長崎到着後、乗車したキハ200の写真を撮影。改札を出て、駅内にある観光案内所で、長崎電気軌道電車一日乗車券(500円)を買い求める。長崎電気軌道は1回の乗車でどこまで乗っても100円なので、5回乗ればもとが取れる計算。結果的に13回も乗ったので、500円分のもとは十分回収したことになる。
さて準備も整ったので、早速「sola」の舞台探訪と行きますか。

電車に乗る前に、歩道橋から長崎駅前の信号機を撮影。

まずは3系統の電車で蛍茶屋まで乗車した後、せかせかと5系統の石橋行きに乗り換えて、市民病院前で下車。電停前の交差点を渡ってすぐのところにある水辺の森公園へ。


初めて来たはずなのに見覚えのある景色だなあ(爆)

海岸のほうへ向かってみる。

真ん中を通っている橋は女神大橋と言うそうですが、最近出来たみたいですね。「オダヤカナヒ」に相応しい空からの「フリソソグヒカリ」、それに素晴らしい眺め、ここにいると時間が経つのを忘れる。
辺りに「トマトしるこ」を売っている自販機がないか探したけど、見当たらなかったなあ(当たり前じゃ!)。

海を見ながらしばらく休憩した後、市民病院前から石橋まで移動して、長崎大浦郵便局で記念に100円貯金。

大浦天主堂下電停まで歩いて戻る。


これも見覚えのある景色だわ。


大浦天主堂。この辺りから「sola」の舞台探訪と言うよりも純粋な長崎市内の観光に変わっていたような気がしないでもない。グラバー園は修学旅行でも確か寄ったはずなので、今回は時間の都合もあってパス。

sola」では蒼乃が入院している病院のモデルとなっている海星高校の外観も見てきたけど、ミッション系の学校なのね。汗ばむほどの陽気の中、階段を上って歩いたので汗だくになりそうだったけど。

この時点で昼時。市民病院前に戻って、先ほど撮影した、「シーフードが美味しいレストラン」こと水辺の公園レストランでランチを食べることにしよう。



sola」だと店内は完全なファミレスになっているけど、実際の店内はしゃれた雰囲気。パスタとパンとサラダのセットで840円。これを高いと見るか、安いと見るか。食事を終えて、活動再開。


市民病院前から電車に乗り、賑橋で降りて眼鏡橋へ。


風が吹いていて水面に波が立っていたので、波が収まる瞬間をねらってシャッターを切る。

公会堂前から浦上車庫前へ移動。


sola」に出てくる車庫は実際の浦上車庫とはちょっと違うよなあ。

すぐに次の電車に乗って、終点の赤迫まで乗る。折り返して大波止へ。

大波止から長崎港へ向かい、15:30出港の伊王島行きの船に乗る。今夜「ドリームにちりん」に乗る関係で、それまでに風呂に入っておきたかったわけだが、後輩ちゃん(id:harak903)から、長崎に行くのなら伊王島の温泉がオススメと言われたので、行ってみることにした。先ほど撮影した女神大橋の下をくぐって、長崎港からわずか19分で伊王島に着いた。港のすぐそばにある伊王島郵便局を拾ってから、1時間ほど入浴して、17:26発の船で長崎港へ戻る。

Nice boat.

まだ西浜町−正覚寺下を乗り残していたので、この区間を乗車して長崎電気軌道を完乗。もう一度眼鏡橋に寄って、下に降りて撮影する。


このアングルは昼間だと逆光になります。「ソライロノカサ」を持った茉莉がやって来そう(爆)。

稲佐山に上ろうかと宝町で降りたものの、ロープウェイ乗り場まで意外に遠く重い荷物を持って歩くのは躊躇われたのと、時刻が19時過ぎで、行って帰ると長崎発20:31の特急「かもめ50号」に間に合うか際どかったので、長崎駅前に引き返すことにした。すると新型車両の低床車3000形がやって来るというマジック。稲佐山に行くなら宿にチェックインした後、余分な荷物を下ろしてじっくり…、というふうにするのが良さそうだ。


長崎駅隣接の「アミュプラザ長崎」5Fにあるレストラン街で、夕食に皿うどんを食べる。800円にしてはかなり量が多く、平らげるのに20分ぐらいかかった。

帰りはグリーン席(爆)


まだ「かもめ50号」の時間には余裕がある。みどりの窓口もまだ営業中。せっかく「白いかもめ」に乗るわけだし、どうせなら…、と言うことで、窓口嬢に「かもめ50号」の窓側グリーン席が空いているかを尋ねてみると、まだ1席しか売れておらず余裕だったので迷わずグリーン券を発券してもらう。JR九州は独自のグリーン料金を設定しており、他のJR旅客会社よりも料金がかなり安いのだ。遅い時間帯なので女性の客室乗務員は乗務しておらず、JR九州グリーン車乗車客に提供される無料ドリンクサービスはキヨスクで引き換えるよう言われた。

20:31、定刻に長崎を発車。グリーン席には確かに僕を含めて2人しか乗っていない。またいつか戻ってきたいと強く願いつつ、長崎に別れを告げる。当たり前だが外は闇に包まれており、景色は広がらない。長崎本線なら7年前は日のあるうちに乗ったし、今回は885系の雰囲気を楽しめればよいと割り切っていたけど、諫早から肥前鹿島までの間は36分も無停車で走り、この区間をぼんやり過ごすのはバッドエンド直行に思えたので、持って来た軽小説の出番となる(笑)。
肥前山口まで来ると速い。佐賀でもう一人の乗客が下車し、グリーン席は僕一人の貸切状態になってしまったので、座席を撮影した。


社長椅子のようとも評される革張りの座席。革張りなのは普通車も同様で、885系を特徴付けるアイテム。

鳥栖から鹿児島本線に合流して、昼間の「白いかもめ」は通過する二日市にも停車した後、22:18に博多着。長崎から1時間47分なので、二日市に停車しながらも最速スジなのね。時刻表を見ると長崎行き最終の「かもめ51号」は1時間45分でした。

ドリームにちりん」に先行して、博多から22:30発の特急「きらめき8号」で小倉へ。なぜ博多から「ドリームにちりん」に乗らなかったのかといえば、確実に着席するため指定席を確保していたのと、料金を安く上げるため乗継割引が適用されるよう、博多−小倉は新幹線の特定特急券とセットで発券したためである。

小倉23:52発の「ドリームにちりん」に乗車して、宮崎を目指す。かつては787系が使われていたが、今は783系に格下げ。行橋までは記憶があるが、気がつけば眠りについていたようだ。

(続く)