JR九州とやっぱり愉快な列車たち(2)

おはようございました

朝、JR九州の特急でおなじみの3点チャイムで目が覚めた。
「おはようございます。夜行列車の長いご旅行、お疲れ様です。」
この「おはよう放送」が流れるとまもなく延岡。外を見ると前回と違い、夜はまだ明けきっていない。日向灘も闇に沈んでいる。その後、寝たり起きたりを繰り返して、気がつけば6:25、宮崎着。この後乗り継ぐのは7:28発の特急「きりしま3号」で、宮崎空港を往復しても間に合うので、今回も宮崎空港まで乗り通した。6:35着。前寄りの車両には航空利用客が結構いたようだ。


特徴的なデザインの宮崎空港駅

折り返しは無料開放のグリーン車


6:43発の普通・南宮崎行8580Mは「ドリームにちりん」の折り返しとなる。前回は先頭車両に乗って前面展望を楽しんだが、時刻表をよく見るとグリーン車のマークがない。つまりグリーン車が無料開放であることを見逃していた。それもあって今回は1号車A室のグリーン車に堂々と入る(笑)。南宮崎までわずか5分ではあるが、783系のグリーン車を堪能。

きりしま3号

南宮崎の洗面所で歯磨きをしてから顔を洗って、リフレッシュ。南宮崎の楽しみは列車接近時の「カラカラベル」。7:04発の1922Dで宮崎へ戻るまで、つい聞き入ってしまった(笑)。
宮崎駅売店で、自分用と実家の土産用の日向夏ドリンクと、マンゴーチョコサンドを買い込む。

さて、「きりしま3号」に乗るべく、宮崎駅のホームに上がると…、
(つд⊂)ゴシゴシ

(つд⊂)ゴシゴシ

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚ Д゚)…!?


特派員は目を疑ったぁぁぁ!(CV:若本規夫
なななーんと、そこにいるのは485系国鉄色Do-2編成!
前回もDo-2編成は見たものの、撮影はかなわなかったけど、まさか今回乗る方で出会うとは思わなかった。虻マジックは永久に不滅です(爆)。
約2時間ほど、鹿児島中央まで日豊本線を辿る。青井岳付近では山間を走っていくが、宮崎・鹿児島の県境となる五十市−財部間は平坦で、あっけなく県境を越える。この辺りではさとうきび畑が見えた。程なくして再び山間に入り、鹿児島都市圏に入る国分で平地に降りる。


竜ヶ水の手前で左手に錦江湾が見え、桜島が見渡せるようになる。


9:36、鹿児島中央着。


指宿枕崎線のホームからDo-2編成を対面撮りできたので、じっくりと撮影。

次に乗る指宿枕崎線は9:58発なので、この間にホームで見かけた列車を撮って回る。


鹿児島都市圏でも活躍する817系。


817系と指宿枕崎線用キハ200との並び

指宿枕崎線


鹿児島中央9:58発の山川行1333Dに乗車。車番は「キハ40 9097」というかなりのインフレナンバー。
鹿児島中央を出た後、左手に鹿児島総合車両所を見て、しばらくは街中を進む。指宿までは鹿児島都市圏に入っていて、喜入までの区間運転を含めて、昼間でも普通・快速合わせて毎時2〜3本の頻度が確保されている。平川を過ぎた辺りから、車窓左手に鹿児島湾が見えるようになる。しまった、進行方向右側のボックス席に座ったのは失敗だった。喜入付近で、小学校の社会の授業でも習った原油基地を見て感動。


山川には11:23到着。11:43発の枕崎行5333Dまで20分ある。山川駅の駅舎には「日本最南端の有人駅」とある。



間近に鹿児島湾を見渡せるので、撮影してみた。


5333Dもキハ40系−キハ47の2両編成だった。

山川から二駅進むと西大山。JR最南端の駅だ。かつては日本最南端の駅だったが、沖縄にゆいレールが開業して、赤嶺駅にその座を譲った。それでも、普通鉄道の駅としては日本最南端であることに変わりはない。ここでは乗客の記念撮影のため、2分の停車時間が取られていた。発車前には警笛で合図をするということで、外に出てみる。


西大山駅から間近に見渡せる開聞岳


西大山から先、しばらくは左手に開聞岳を見やりながら進む。線路沿いの草が時おり車体に触れる。


「頴娃」と書いて「えい」。難読駅名の一つ。南九州市という市名はいかにも最近の市町村合併で誕生したことをうかがわせる。


終点、枕崎には12:49到着。枕崎といえば三角屋根の駅舎が特徴的だったが…。



その駅舎は3年前に解体されてしまった。駅前にはスーパーや薬局が立ち、そこから見ると駅が全く目立たない。その駅前にあるスーパーで昼の弁当を買い込む。


枕崎13:19発の5334Dで指宿へ折り返す。



指宿からはキハ200系の特別快速「なのはなDX6号」に乗り換えて鹿児島中央へ戻った。先頭に指定席のデラックス車両(キハ220)が連結されていて、前日に博多駅みどりの窓口で空席があるか問い合わせたところ、十分に空席があったので、発券してもらった。車内は肥薩線の特急「はやとの風」に準じ、車両中央部に展望スペースがあるが、座席は回転式のクロスシートで、リクライニングはしない。海側の席だったので車窓からは存分に鹿児島湾を見渡せた。キハ40系とは違う、JR世代の気動車らしい快調な走りも心地よかった。


鹿児島中央には15:35着。鹿児島中央にて対面からキハ200+キハ220をじっくりと撮影。

つばめ。旅する新幹線。



鹿児島中央で15:48発の九州新幹線「つばめ16号」に乗り換える。キハ200+キハ220を撮影しているとたちまち発車時刻が迫り、足早に新幹線ホームへ向かう。九州ゾーンの周遊きっぷでは九州新幹線に乗れないので、新幹線区間は乗車券、特急券とも「べつばら」。前日に佐賀駅での空き時間を使って、MV端末で乗車券と指定券を購入。お盆のUターンラッシュで夕方の時間帯だと軒並み窓側は売り切れだったが、なぜか「つばめ16号」だけは窓側に空きがあった。

鹿児島中央を発車すると、向谷実氏作曲の始終着駅用車内チャイムが鳴り、案内放送が流れる。「つばめ16号」は途中、川内のみ停車の準速達型。川内到着前にこれまた向谷実氏作曲の、途中駅用車内チャイムが鳴る。川内を出ると次はもう新八代。山がちな地形を直線的に結んでいるのでトンネルが多い。明かり区間では車窓左手に山が海に迫る地形を見渡せる。
九州新幹線に使用される車両は800系と呼ばれる。全車普通車であるが「ひかりレールスター」のような2+2列なので、ゆとりは十分。車内は700系を基本に作られている様子がはっきりと見て取れるが、すだれの日よけ、西陣織のモケットを採用した座席など、随所に「和」のテイストを用いたJR九州らしい個性が出ている。

16:27、新八代到着。鹿児島中央から40分足らずの乗車で、降りるのが惜しくなる。


新八代にて「リレーつばめ」と「つばめ」が接続を取り合う。

「つばめ16号」に接続する「リレーつばめ16号」に乗り継ごうとしたものの、自由席は混雑がひどかったので、1本落として「リレーつばめ54号」で熊本へ向かう。


熊本にて撮影できた「SL人吉」。

三角線

熊本18:03発の三角行き543Dで三角線に乗車。日の長いこの時期なので往路ならまだまだ車窓が楽しめる。キハ47+キハ31の2両編成で、キハ31は2+1列の転換クロスシート車なので、キハ31の1人掛けシートに乗車した。1人掛けシートは三角線で海側にもなる。ちなみに上の画像は翌日に撮影したもので、キハ31の単行。

宇土までは鹿児島本線を走り、本線を走る列車の足を引っ張らないようフルスピードで爆走する。


住吉−肥後長浜間では有明海の夕焼けに感動。

三角の二つ手前、石打ダムという駅名はえらい即物的な駅名だなあと思った。


18:53に三角着。わずか5分で熊本へ折り返し。さすがに途中で日が暮れた。

入庫

この日の宿は毎度おなじみ「1045」こと「東横イン 熊本駅前」。ここは通常の宿泊料金でも4935円で安いが、日曜なのでホリデー割引適用で、さらに3450円に割り引かれた。これで朝食も無料とはありがたい。

夕食

熊本に来たのなら美味い熊本ラーメンを食べたい。1045のロビーにあるパソコンでネットが使えるので検索してみると、1045のほど近くに「埼陽軒」(横浜のシュウマイみたい)という店があることが分かり、行ってみることにした。入ってみると気さくなご夫婦が店を切り盛りしており、地元の常連客が何名がいて盛り上がっていて、実にアットホームな雰囲気。


熊本ラーメンはとんこつスープである点は福岡と同じだけど、麺が中太なのが特徴。スープは見た目に反してくどくなく、あっさりしている。大盛りにしとけばよかったな。

ラーメンだけでは物足りないのと、せっかく九州に来たので、旨い831を呑みたい(爆)


…というわけで芋焼酎「木挽」を注文。これを呑むとすっかりほろ酔い気分になった。
また熊本に来ることがあったら、ぜひここへ食べに行こう。

(つづく)